LED照明が人体に与える影響と健康被害

女性の眼球アップ

長寿命でありながら省エネ効果も高く、消費者にとって多くのメリットをもたらすLED照明だが、一方で安全性や健康面への影響に関する情報も少なからず目にする。それでは一体LED照明を使用する事で、我々消費者はどのようなデメリットを被る可能性があるのだろうか?

 

LED照明の使用による人体への健康被害については諸説あり、インターネット等で主に目にするのは、

この2点だ。

 

目に優しい省エネ照明「無電極ランプ」
目に優しい無電極ランプ

 

 

 

 

 

光の周波数特性による眼球への影響と、それに伴う脳への影響の有無について

発光ダイオード=LED(light emitting diode)は、赤色緑色青色の3種類の半導体であり、その中でも1990年代初めに日本人研究者が青色ダイオードを発明した事で「疑似白色ダイオード(青色ダイオード+黄色蛍光塗料)」が誕生し、それにより様々な分野でLEDの光が利用できる様になったが、実はLEDが発する光には、蛍光灯と比べて青色波長の成分が多く含まれており、これが近年取沙汰されているブルーライトである。

ブルーライトが人体にとって悪影響を与える原因はその波長の短さにある。
下記の図1「光のスペクトル表(分光分布)」は、光の波長の長さと光色との関係を表している。

図1:スペクトル表(分光分布)
光のスペクトル表(分光分布)

 

 

 

 

光には波長が短いほど紫色に見え、逆に長ければ赤色に見えるという特性があるのだが、実は波長の短い光は散乱性が強く、長時間浴び続けると、「眼精疲労」や「自律神経の乱れによるホルモンバランス異常」等を引き起こす可能性がある事が分かっている。
しかしこのブルーライトによる人体への影響は、特に長時間、目の近くでブルーライトを浴び続ける事で起こる症状であり、例えば小学校の教室の天井(3m程度の高さ)の照明をLEDに交換しても
、余程細かな作業を長時間続けるのでなければ、直接的に重大な健康被害の原因になる事は考えにくい。

一方、この様な照明器具のブルーライトよりも、もっと注意すべきものがある。
近年は初等教育の現場でもパソコンやタブレットを使った教育が普及しており、子供のうちから日常的にテレビやパソコン、スマートフォン、ポータブルゲーム機等の「液晶バックライトから発生するブルーライト」に長時間晒されているという事である。特に就寝前の2~3時間の間にブルーライトを浴びると、交感神経が過剰に刺激され、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑制される事が分かっている。この睡眠不足は結果的に「集中力散漫」や「免疫力低下」に繋がる可能性があり、健康を著しく害する要因となる可能性があるのである。

また、紫外線の光はブルーライト以上に人体へ悪影響を及ぼす。
日中、目に紫外線を浴びる事で起こる「目の日焼け」は、視力低下や眼病、将来的には白内障や網膜剥離に繋がるとされており、特に春や夏等の紫外線が強い時期には、肌部だけでなく、サングラスやツバの長い帽子等で、「目の紫外線対策」をする事が極めて重要である。

この紫外線は、実は蛍光灯が発光する時に放出されているのをご存じだろうか?
(蛍光灯は内部で発生した紫外線がガラス管内面の蛍光塗料に当たる事で発光する仕組み)
昔、夜の自動販売機の周りに虫が集まってきていたのは、蛍光灯から発する紫外線に「誘虫性」がある為である。
一方でLEDは蛍光灯と比べて発光時にほとんど紫外線が発生しない。

これらの事からも分かる様に、確かにLED照明の光に多く含まれるブルーライトには、視力低下や眼病につながるデメリットがあるが、LED電気スタンド等を目の近くにおいて長時間細かな作業をする、故意にLEDの光を直視し続ける等でなければ、健康へのリスクを気にする必要はない。それよりも問題なのは、1日のおよそ半分の時間を液晶ディスプレイと向かい合って過ごす、現代人のライフスタイルだと言える。
  


 
目に優しい省エネ照明「無電極ランプ」目に優しい無電極ランプ

 

 

 

 

 

点灯時に発生する電磁波による人体への影響の有無-

この問題に触れる為には、まず電磁波が人体に影響を及ぼすかどうか、という議論になるのだが、そもそも電磁波という言葉は非常に広域を差しており、電磁波の中でも300万Mhz(メガヘルツ)以下の電磁波は、一般的に「電波」と呼ばれ、総務省が電波法という法律で管理している。
電磁波はその波の周期に応じて性質が異なる。

 

図2:周波数による電磁波の分類と周波数特性
周波数による電磁波の分類表
 
周波数100khz(キロヘルツ)以下の電磁波は低周波と呼ばれ、強い低周波には刺激作用(チクチク・ピリピリ)がある。
また100khz以上の電磁波は高周波と呼ばれ、強い高周波は物質の熱を上昇させる作用がある。
これらの作用は、それぞれ医療用治療器具電子レンジなどに使用され、我々の身近に存在している。
総務省は微弱な電磁波が人体に与える影響について「現在のところ根拠を示すことのできる影響は見つかっていない」との見解を示しており、これらの事からもLED照明から発生する電波により、健康に影響が出る事は考えにくいだろう。
また現在のLED照明は安定器が付随されている「インバータータイプ」が一般的であり、このインバーター内部の増幅回路から発生する電磁波は、140khz~250khzとされている(ACアダプター等と同じ周波数帯)
一方、病院や半導体工場などでは低電磁波の照明器具が設置されるケースがあるが、これは人体への影響を考慮しての事ではなく、電子機器類への影響を考慮している為だ。
LED照明に限らず、電磁波または電波を発生させる器具類には、総務省が定める安全基準を満たす必要があり、それらの認定を受けていない製品の製造や販売は禁止されている。
※特に日本の基準は、諸外国と比べ非常に高水準である。

この事から分かる様に、現在国内で流通しているLED照明から発生する電磁波が、人体に重大な悪影響を与えるという事は考えにくいだろう。

目には見えないが、屋内では携帯電話、Wi-Fi、パソコン、家電等が発する電磁波が常に飛び交い、ひとたび屋外に出れば、車、衛星、太陽光、放送設備、ありとあらゆるものが
電磁波を発し、まさに電磁波の海の中で、様々な周波数帯の電磁波に晒されながら、我々は日々生活をしている事を忘れてはならない。

 

目に優しい省エネ照明「無電極ランプ」
目に優しい無電極ランプ